(えっと、、上日向橋に、着いたようだけど、、、)
確かヤツは、橋の上から、何かがよく見えると言ってたな。
(おお、綺麗ですね!)
本当だな。
ここが東京とは思えんな。
(しかし、ここから見えるのは川と、正面の山くらいですよね)
もしかして・・・声の主さんがここからよく見えると言っていたのは、「檜原城」のことかもしれないじゃが。
(檜原城?ここにお城があったんですか?)
そう、戦国時代まで実際に使われていたお城じゃが。
この橋から見える正面の山がそうじゃが!
城といっても立派な天守閣があるような城ではなくて、急峻な地形をそのまま活かした要塞のような山城じゃが。
川の上流方向に山を越えてずーっと行くと山梨県、昔の甲斐国につながっているじゃが。
戦国時代には甲斐国の武田信玄が山を越えて攻めてくるかもしれないということで、あの山の上に砦のような山城が築かれて、見張りを立てて警戒していたらしいじゃが。
かつての檜原村は、小田原城や八王子城を拠点にして武蔵国を治めていた北条氏の勢力下で、もし武田信玄の不穏な動きを感知したら、檜原城から狼煙を上げて下流の戸倉城や網代城などを経由して八王子城に異変を知らせることになっていたらしいじゃが。
(へえ・・・で、武田信玄は攻めてきたんですか?)
いや、結局、武田信玄はこちらに攻めてくることは・・・なかったようじゃが。
(よかったですね)
結局、武田氏は信玄の息子の代に豊臣の軍勢に攻め滅ぼされてしまって、檜原城に攻めてくることはなかったんじゃが、そのかわり・・・
ちょっと待ってくれ、空耳スピーカーがまた反応しているぞ、ボリュームを上げてくれ!
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