「だれか・・・誰か聞こえぬのか?こんなことをしている場合ではないのじゃ・・・」
(えっ・・・???)
「誰も・・・だれも聞こえないのか。」
聞こえるじゃが・・・!?
(はっきり、聞こえますね・・・誰だろう)
わからない。
いったい誰だ?
「む、お前たちはわしの声が聞こえるのか?」
(聞こえますよ。っていうか、あなた誰?)
「むむむ、怪しいやつ!なんじゃお前は!」
ボ、ボクはひのじゃがくんじゃが。
檜原村の名産のじゃがいもじゃが。知らないのじゃが?
「なんじゃ、そのジャガイモというのは?そんな芋の名は聞いたことがないぞ」
(え?じゃがいも知らんの?)
「ええい、敵の軍勢がそこまで・・・そこまで来ているのだ。こんなことをしている場合ではない!」
え?
(軍勢って・・・物騒ですね)
「む、お前たち。まさか敵の一味ではあるまいな?騙されぬぞ。こういう時のために、この三日間、この辺り一帯に「謎」を仕込んでおいた。それをすべて解けたなら、敵ではないと信じてやろう。まずは謎帳を開いて、「謎其の一」を解くのだ!」